情報を再構成する 認知地図

ある学校で最寄りの駅から商店街を通って徒歩3分の道のりを、絵、または地図でできるだけリアルに再現することを課題として生徒に求めたところ、5年ほど毎日そこを通っている生徒のほとんどが、商店の位置関係も不正確で、かなり曖昧な絵(地図)になったといいます。心理学の用語で「認知地図」という言葉があります。人間の頭の中には、位置関係など空間的に特性を持ったイメージが存在しているといいます。行き慣れた場所へ行くとき、地図を見なくてもそこへ辿り着けるのは、認知地図をもっているからだと考えられます。たとえば,実際は少し曲がっている道路でも,認知地図の中では直線として表象されます。認知地図は,たいていの場合,先入観や事象を単純化しようとする作用によってゆがんだものとなるそうです。認知地図の特徴を調べるときには、スケッチマップといい被験者に地図を書いてもらう方法や、道筋や都市の特徴的な部分を説明してもらう方法があります。結果は同一の環境、風景でも、人々の頭の中にある認知地図は人それぞれ異なります。 それぞれの認知地図を構成する要素には、パス(人々が移動に利用する経路)、ノード(都市内部にある主要な地点)、ディストリクト(独自の特徴によって他から区別される地域)、エッジ(二つの地域の境界)、ランドマーク(目立ちやすい特徴を備えた物理的要素)という5つがあると考えられています。

ある学校で最寄りの駅から商店街を通って徒…