等値線図と彩色

等値線自体が彩色の対象になることは考えられませんが、等値線の性質として、線と線との間の面が生じるため、この面を彩色することは可能です。

その際は、他の地図記号と同様、色相、明度、彩度を用いて、太陽スペクトルを基準に彩色します。但し等値線図は気象、気候を主題とするものが多いことから、他の地図よりもさらにセンシティブに、主題内容からイメージする色を導出しなければなりません。

例えば気温を表現する場合、暖色や寒色を用いるのが適当でしょうし、高温地域は赤色、低温地域は青色を使うとしっくりきます。降水量図であれば、乾いているとイメージされる色、湿っているとイメージされる色を使うとよいでしょう。

ところで地図の彩色を野放図に行ってしまえば、非常にカラフルな地図が出来上がる一方、色覚障碍者が読み取り辛い地図になってしまいます。光のスペクトルは健全な人にははっきりと見えますが、障害者にとっては一部の領域の識別が難しいとされています。

ですから、色相に偏った配色にすると、障害者を蔑ろにしていることになります。解決策としては、色相以外の属性、すなわち明度、彩度を加味した彩色にすることが挙げられます。

また、明度や彩度が高いほど識別し易い傾向にあるので、そのように工夫することも大切です。色盲、色弱の人は男性に多く、全男性の20分の1がそうだとされています。

ですが健常者の多くはその感覚を体験しようともせず、つい配慮の欠いた地図を作成してしまいます。今一度心にとめておきましょう。

等値線自体が彩色の対象になることは考えら…