メートル法
経緯度座標によって地図を作成する技術は発展しましたが、測量や大衆の生活に欠かせない距離の単位はどのように取り決められたのでしょうか。距離の表し方は地球の大きさとは直接関連しないため、古くから地域ごとに異なった単位が用いられてきました。エラトステネスが用いたスタディオンはご存知ないでしょうが、陸上のマイル、航海の海里、ヤード、インチ等、現在でも距離単位は多数存在します。ヨーロッパでは近代に入ると主権国家体制の枠組みの中で、それぞれの国家が中央集権体制を強化しました。言語の統一はもちろんのこと、あらゆる慣習、制度が大差ないように、国全体をまとめ上げようとしたのです。本来は度量衡もその一つであるべきなのでしょうが、フランスでさえ統一されていませんでした。商工業に影響しかねない問題のため早急に解決すべく、フランスでは長さの単位を一先ず自然界に求め、地球の端から赤道までの距離を基準としました。
子午線の長さを三角関数で正確に求めようとした科学者たちも、フランス国内の革命、及び国際的な軋轢の中で多くの犠牲を払いました。その只中でメートル原器は完成したのです。ナポレオンが実権を握ってからはフランスの科学はさらに不安定な政治に呑み込まれ、王政復古や7月革命の激動の中にあってはメートル法を社会に定着させるのは困難でした。メートル法が正式に採用されたのは19世紀中頃のことです。19世紀中にはメートル法が度量衡として国際的基準となり、条約も締結されました。
さて、ヨーロッパの測量技術の発展については上述しましたが、それ以外の地域、例えばインド等はどのように測っていたのでしょうか。後述することにします。
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